image


騎士団長殺しを読んでいます

読んでます。村上春樹の長編最新作です。村上春樹嫌いの僕ですが、この作品は好きです。何て言うか、今までの作品と違って思わせぶりな展開が思わせぶりなだけじゃなくて、ちゃんと本筋に絡んでくるところが好きです。



様々なエピソードをふんだんに盛り込んできて、そのほとんどが要らないエピソード、というのが僕の村上春樹にたいする印象です。この話いる?みたいな。

そういうのが本当に多いんです。でもこの作品はストーリーに関係しているエピソードだけが描かれるので読んでいて楽しめます。なんで昔からこういうふうに書かなかったんでしょうか。


村上春樹、ちゃんと読んで読んでますよ

こんな感じで村上春樹を批判すると、ちゃんと読んでないだろう!みたいに思われるかもしれませんが、主要な作品は大体読んでいます。今まで読んだものを紹介しますね。

僕が読んだことがあるのは、ネジ巻き鳥や海辺のカフカ、ノルウェーの森、1Q84や田崎つくるや世界の終わりとハードボイルドワンダーランド、東京奇譚集だけでなく、夢を見るために毎朝僕は目覚めるのですとか、嫌いといいながらわりと読んでるんですよ。

関連記事【村上春樹 ノルウェイの森の感想
関連記事【村上春樹 世界の終わりとハードボイルドワンダーランドの感想

たぶん男性作家の中で一番いろいろ作品を読んでいます。で、それだけ読んでも村上春樹って面白くないし、どこがいいのかわかりませんでした。

でも騎士団長殺しは村上春樹の作品の中で初めて面白いと思えた作品です。散々といろいろな作品を読んできてやっとです。長かったー。


村上春樹っぽさがない作品

これまで読んだものは、なんだかしっかりした文章を書いているように見えて内容がスカスカ、雰囲気だけ、という作品ばかりでした。空気感は抜群なんですが、空気感しかない、みたいな。

そこが村上春樹らしさなんですが、それが嫌いな人もいます。僕のように。で、この作品はそんな村上春樹っぽさが消えています。文章に厚みが増していて、重さが感じられるんです。

さらっとしていて、何も残らないのがこれまでの作品なら、今回の作品は読んだあとに文章を読んだ感覚がしっかりと残るんです。これはいいですよ。


村上春樹を読んだことがない人におすすめです

僕がどれほど村上春樹が嫌いかは↓の記事を読んでみてください。

関連記事【海辺のカフカの感想と、村上春樹を嫌いな理由を語る

何冊か読んでみて思うのは、同じ作家の書いた作品でも当たり外れがあるということです。有名な作家だからといって、全部の作品が面白いということはありません。

村上春樹も例外ではなく、つまらない作品はつまらないし、意味がわからない作品は全く意味がわかりません。そこがいいという人もいますけど、せっかく読書をするんだから面白い方がいいですよねぇ。

さっきも書いたようにこの作品は村上春樹っぽさが異常に少ない作品です。誰が読んでも楽しめます。無駄が少なくて、読者を混乱させるようなわざとらしさがありません。




まだ上巻の途中なのですが、期待できそう。面白いので下巻も買います。村上春樹初心者におすすめです。