装幀購入、ジャケ買い。
そしてハズレた。
うまいなーこれは。中身うんぬんよりも買わせるための戦略がうまい。
これは興味持って買っちゃうだろ。
やられたなー。
さて気を取り直して内容の話をしよう。

戦中、戦後の日本とガンダムの物語を対比させ、著者の視点で共通点を語るというもの。
どちらも中途半端に取り上げているので、
この一冊でガンダムを語ることはできないし、日本人を語ることもできない。
著者がガンダムを語りたいがために近代史を無理やり絡めた部分が感じられ、
こじつけ感が拭えない気がする。
編集の人がこの方が売れますよ!ってタイトルを決めたのかなーなんて思ったり。

ガンダム自体、よくできた話だと思うし、
これまでのロボットアニメと一線を画す作品であることはよくわかる。
作者の富野由悠季が当時の時代背景を彷彿とさせる描写を作中に取り入れて、大人の鑑賞に耐えられる骨太アニメを目指したのはいい選択だった。
しかしそこに日本人論や敗戦からの脱却と言えるほどのたいそうなものが込められてるとは思えず、
人間ドラマに幅を持たせるための設定という意味合いが強いだろう。
富野本人が「アニメは子供の見るもので大人が熱中するようなものじゃない」と言ってることからもわかるように、
舞台設定として世界大戦や冷戦を参考にしているだけではないだろうか。

一方で、作品を語ることはそれが生み出された背景を語ることでもある。
ガンダム生誕30年。
人々が愛してやまないその魅力を近代史から読み解く試みは新たな視点を与えてくれる。