高校時から文系コースを選び、大学も文系だった。
そのため理数系の話しにはすごく弱い。特に数字はさっぱりだ。
とはいえ、大学を卒業して数年経って見えてくるものがあり、
理数系に関する本をなるべく買うようにしている。
その流れで手にした一冊がこれ。

ものづくり日本を支える理系の人々の待遇や暮らしぶりが描かれるルポルタージュ。
彼らがノーベル賞級の技術、素材を開発するほどの高い専門性を持ちつつも、
文系と比べて昇級や賃金の面で冷遇される現状はあまり知られてはいない。
長年の研究開発の結果、莫大な利益を会社にもたらそうがその扱いは低く、
大学院を卒業しても希望の職に就けずに、気づけば有期雇用の職場を転々とする理系も多い。
世界に誇る技術力を持つ日本だが、これを読む限り、最前線で働く人々に満足のいく環境が与えられてるとはいえない。
そんな国内に見切りをつけ、米国に活路を見出す研究者たち。
文系がのんきに空気を読んでるうちに大変なことになってるよ。これ!まずくない?
と思わずにはいられない。

アジアのメーカーが日本人技術者をヘッドハンティングしまくってる話はよく聞くけど、
ものを生み出す人間が評価されないままでは仕方がない。
その一方で、理系にも問題があり、自分たちのやっていることがいかに社会にとって有益で価値があるものなのか、
それを難解な専門用語を抜きに自らの口で語れないなら理解と金は得られないというもっともな意見もある。
ただ、ゼロからイチを作ることができるのは理系だけだ。
文系にできないことができる彼らを社会としてどう評価するのか。

日本は資源が乏しく、ものを輸出することでしか生きていく道はないが、
車や電化製品は技術のコモディティ化で海外製品でも十分使用にたえうることが自明となっている。
これではますます理系の立場が危うくなりそうだ。
そうならないように文系は理系のことをもっと知るべきで、
数学がわかりませんとか言ってないでちゃんと勉強しようと思った。